本記事の位置づけ
本記事は、GC-BIDによる体外測定データを速度解析し、経口摂取後の水素発生の「持続性」について外挿モデルとして整理するものです。あわせて、最終報告書に記載された24時間後のNrf2応答と整合するか、という観点で考察します。
※体外条件からの外挿であり、腸管内での直接測定に基づくものではありません。
根拠データ(体外):GC-BID 24時間測定
測定条件(要点)
- ヘッドスペースバイアル:20mL
- 試料:1g
- 純水:5mL
- 測定時点:30min/1h/4h/16h/24h
- 装置:GC-BID(GC-2010plus)
測定結果(ppm)
- 30min:233,000
- 1h:321,000
- 4h:510,000
- 16h:530,000
- 24h:580,000
図1:水素濃度の推移(ppm)

図2:区間別の発生速度(ppm/h)
図1の濃度推移を区間で分け、濃度変化を経過時間で除して平均発生速度(ppm/h)を算出します。ここで見たいのは、初期の立ち上がりだけでなく、4〜24時間にかけて発生が継続している点です。 ※本測定は閉鎖系(密閉バイアル)でのヘッドスペース濃度(ppm)に基づく指標であり、実環境での発生挙動は条件により変動します。

図3:体内2段階モデル(概念図)
図2の2相性を体内動態に当てはめると、胃で急速に立ち上がり、その後に腸管で持続的に反応が続く、という2段階モデルとして整理できると想定されます。
- 胃(Phase 1):酸性環境で反応が立ち上がり、初期バーストが生じ得る
- 腸管(Phase 2):未反応分が移行し、水分・電解質環境下で反応が持続し得る(小腸〜大腸を含む)

胃・腸管の通過時間(目安)
胃溶性カプセルは一般に胃内で崩壊し、内容物が放出されます。平均的な消化管通過の目安として、胃は1〜3時間、小腸は3〜5時間、大腸は24時間前後といった時間スケールで推移します(条件により変動)。この時間軸に照らすと、胃での初期反応に続いて、未反応分が腸管(小腸〜大腸)へ移行し反応が遷延する、という2段階モデルは24時間スケールの挙動と整合的に整理できます。
24時間後のNrf2応答との整合
最終報告書では、摂取24時間後に核内Nrf2の増加が観察され、細胞が環境変化を認識して調整モードへ移行した反応として整理されています。
本記事で整理したGC-BID体外データの「持続相(Phase 2)」が体内でも成立していると仮定すれば、24時間後にNrf2応答が見られることと整合します。
まとめ:水素サプリの24時間水素発生・反応(当社の整理)
以上のデータを踏まえると、当社では次のように整理しています。
体外GC(GC-BID)の測定結果からは、水素発生が24時間にわたり継続し得る挙動が観察されています。また、最終報告書では摂取24時間後にNrf2応答(核内Nrf2の増加)が観察されており、生体側で反応が立ち上がっていることが示されています。これらを合わせて考えると、水素サプリ摂取後の水素発生は一定時間持続し、少なくとも生体反応に関与し得る形で体内に届いている可能性がある、と考えております。
使用原料について 本研究で使用した水素発生サプリメント原料は、当社が開発・提供するハイドロシェルです。原料仕様や供給条件、資料一式やサンプルのご希望がございましたら、お問い合わせください。 → お問い合わせはこちら
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